ティー系ニッチ香水5選:セイロン紅茶・ダージリン・白茶・緑茶・マテ、茶葉の種類で選ぶ
お茶の香りの香水は、強く主張しないので日本でも使いやすい系統です。ただ「お茶の香り」と言っても、渋い紅茶なのか、青い緑茶なのか、ほとんど透明な白茶なのかで、香りの方向は大きく変わります。この記事では、香りの中心にあるお茶の種類で5本を選びました。朝の紅茶のようにしっかりした香りがほしいのか、白茶のように透明な香りがほしいのか。飲みたいお茶を選ぶ感覚で、自分に合う1本を探してみてください。抹茶や烏龍茶の香りはスキンセント&ティー系ニッチ香水10選で紹介しています。
2026.10.24 · 6分で読めます

香水の「お茶」は、どうやって作られているのか
香水のノートに書かれる「ティー」の多くは、お茶の葉を直接香料にしたものというより、いくつもの香料を組み合わせてお茶らしさを再現したアコードです。たとえば下で紹介するメモ パリ「インレ」は、公式のノートに「ティー アコード」と明記しています。一方で、ル ラボ「テ ノワール 29」のように、紅茶の葉の特別な抽出物を使ったと説明する香りもあります。
お茶の種類ごとの香りの方向を、編集部の整理で並べると次のようになります。
お茶の香りが香水で使いやすいのは、多くの人が毎日の飲み物として知っている香りだからだと考えます。香水に慣れていない人でも「紅茶っぽい」「緑茶っぽい」と言葉にしやすく、好き嫌いを判断しやすい。また、お茶の香りは柑橘や花、木やムスクとも組み合わせやすく、香水の中では主役にも脇役にもなれる素材です。たとえば紅茶のアールグレイは、柑橘のベルガモットで香りづけしたお茶なので、ベルガモットと紅茶の組み合わせは香水でもよく見られます。
お茶の種類と香りの方向
- 紅茶([ブラックティー](/notes/black-tea)):乾いた葉、ほのかな渋み、干し草やタバコに近い深さ。果物や柑橘と組みやすい
- ダージリン:紅茶の中でも軽やかで、果実や花を思わせる香り立ちとして語られることが多い
- 白茶([ホワイトティー](/notes/white-tea)):ごく淡く、透明感のある香り。石鹸のような清潔さと合わせやすい
- 緑茶([グリーンティー](/notes/green-tea)):青くさわやかで、少し苦い。柑橘や竹、米などと組まれることが多い
- マテ([マテ](/notes/mate)):南米で飲まれるお茶。干し草のような、少しスモーキーな青さ
茶葉の種類で選ぶ5本
1. 紅茶:ヴィルヘルム パフューマリー「ディア ポリー」
ベルガモットは、紅茶のアールグレイの香りづけに使われる柑橘です。そこにりんごのみずみずしさが重なるので、ストレートの紅茶というより、果物を添えたティータイムの印象に近いと考えます。オークモスのしっとりした苦みが後半を引き締めるので、甘いだけの香りが苦手な人にも合いそうです。
韓国のタンバリンズの香りで、公式はホワイトシャンパン、ダージリンティー、クリーミーなムスクの3つを香りの軸として紹介しています。泡のはじけるような明るさで始まり、ダージリンの紅茶を通って、やわらかなムスクに着地する流れが想像できます。
ディア ポリーが朝のしっかりした紅茶なら、こちらは軽やかで華やかな紅茶です。紅茶の渋みより、明るさと肌なじみのよさを求める人に向きそうです。軸がシンプルなぶん、紅茶とムスクのどちらが自分に強く感じられるかを、試して確かめてみたい1本です。
5本の中でいちばん透明感が強い方向で、お茶の香りを「香水らしくない清潔さ」として使いたい人に合いそうです。逆に、紅茶のような深さや残り香を求める人には、淡く感じられる可能性があります。
4. 緑茶:オーモンド ジェーン「チャンパカ」
緑茶は主役というより、花と米の香りを受け止める土台として置かれています。クリーミーな花の香りと、緑茶の青さ、炊いた米のようなやさしさが重なる、珍しい組み合わせです。花の香りが好きで、そこにお茶の落ち着きがほしい人に向きそうです。
キンモクセイの仲間であるオスマンサスが入っているので、日本の秋の香りを思い出す人もいるかもしれません。お茶とマテの青さに、オスマンサスのあんずのような甘さが溶けこみます。5本の中では花と果物の表情がもっとも豊かで、お茶の香りに華やかさも求める人に合いそうです。
比べ方と、お茶を含むほかの香り
お茶の香りは軽いものが多く、ほかの香りと続けて試すと埋もれやすい系統です。比べるときは、ムエットに名前を書いて少し離して置き、時間をおいて嗅ぎ直すのがおすすめです。
試す順番(編集部の提案)
- 01淡い順にバンブー ハーモニー → ホワイト ダージリン → チャンパカ → ディア ポリー → インレの順に試すと、淡い白茶から、花や果物の多い香りへと自然に移れます
- 0230分後にもう一度トップの柑橘が落ち着いたあとに、お茶の印象がより分かりやすくなることがあります。30分ほどあとにもう一度嗅ぎ直してみましょう
- 03季節で選ぶ白茶と緑茶は暑い季節に、紅茶とマテは涼しい季節に使いやすい、というのが編集部の見立てです
5本の違いのまとめ
- 果物と合わせた紅茶:ディア ポリー(りんご、ベルガモット)
- 明るく軽い紅茶:ホワイト ダージリン
- 透明な白茶:バンブー ハーモニー
- 花と米と緑茶:チャンパカ
- 花と果物とマテ:インレ
苦手に感じやすい点もまとめておきます。ディア ポリーはオークモスのしっとりした苦みが、チャンパカはクリーミーな花の甘さが、インレはオスマンサスの果実のような甘さが、それぞれ人によっては重く感じられるかもしれません。反対に、バンブー ハーモニーとホワイト ダージリンは、香りが淡いぶん、残り方が物足りないと感じる人もいるはずです。お茶の香りに何を求めるか(清潔さか、くつろぎか、華やかさか)を先に決めておくと、選びやすくなります。
お茶が主役ではないものの、お茶をノートに含む香りもあります。BDK パルファム「グリ シャルネル」は、トップにイチジク、ブラックティー、カルダモンを置き、アイリスとベチバー、サンダルウッドへ続く香りです(オードパルファン。別に濃度の高いエキストレもあります)。エッセンシャル パルファン「フィグ インフュージョン」も、ミドルにスリランカ産の紅茶を含んでいます。
この記事に出てくる
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出典(9)
- Vilhelm Parfumerie「DEAR POLLY」
- TAMBURINS「PERFUME(WHITE DARJEELING ほか)」
- Kilian Paris「Bamboo Harmony」
- Ormonde Jayne「Champaca Eau de Parfum」
- Memo Paris「Inlé Collection」
- Memo Paris「Aliénor Massenet, Perfumer」
- Le Labo「Our Creations」
- BDK Parfums「Gris Charnel」
- Essential Parfums「Fig Infusion Eau de Parfum」
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