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ラブダナム(Labdanum)の写真
写真: Haggeswood / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons(正方形に切り抜き)

ラブダナムの香水

Labdanum

この原料を使っている香水

ラブダナムについて

どんな香り

ラブダナムは、甘く、ウッディで、パウダリーな面と、どこか動物的な深みをあわせ持つ樹脂の香りです。琥珀を思わせるあたたかさがあり、果実のようなニュアンスを感じることもあります。

その香りは龍涎香(アンバーグリス)に似ているとされ、香水の世界で大切にされてきました。

原料の話

ラブダナムは、地中海沿岸に育つハンニチバナ科の低木、シスタス(ロックローズ)から採れる茶色くねばる樹脂です。おもな原料は西地中海のシスタス・ラダニフェルと、東地中海のシスタス・クレティクスで、スペインやクレタ島が知られた産地です。

シスタス・ラダニフェルは株全体が香りのある樹脂でべたつき、スペイン語では「ねばる低木」という意味の名で呼ばれます。花は白い5枚の花びらで、根もとに赤から濃い赤紫の斑が入ります。

いまは葉と小枝を湯で煮て樹脂を取り出し、エタノールで抽出してレジノイドにします。溶剤抽出でアブソリュートが、水蒸気蒸留で精油も作られます。シスタスは植物の名前、ラブダナムはそこから採れる樹脂の名前と覚えると整理しやすいでしょう。

香水での使われ方

香水でアンバーの香りを組み立てるとき、中心になるのがラブダナムです。香りを長く保たせる保留剤としても使われます。

シプレ系でも欠かせない素材です。1917年にフランソワ・コティが発表したシプレは、ベルガモット、ラブダナム、オークモスを組み合わせ、その構成がひとつの香りの系統のひな形になりました。

豆知識

古くは、シスタスの茂みで草を食べたヤギやヒツジのひげや腿についた樹脂を、くしでとって集めていました。歯の代わりに革ひもを二列に並べた、熊手のような専用の道具も使われました。

旧約聖書の創世記には、カナンからエジプトへ運ばれる品として登場します。