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ヘディオンの香水

Hedione

この原料を使っている香水

ヘディオンについて

どんな香り

ヘディオンは、ジャスミンを思わせる透明感のある花の香りに、柑橘のさわやかさが少し重なる香料です。単体ではそれほど強く香りませんが、ほかの香料と合わせると、香り全体を丸く、花らしく、広がりのあるものにするとされています。この性質から、部屋を香りで満たす力を香水に与える素材として知られるようになりました。

原料の話

化学名はメチルジヒドロジャスモネートです。ジャスミンの香りの主要な成分の一つであるジャスモン酸メチルとよく似た構造をもち、ジャスミンのアブソリュートにも含まれていることがわかっています。

分子には4つの立体異性体があり、それぞれ香りが異なります。においを感じとれる濃度にも大きな差があります。現在は化学的に合成してつくられています。

誰が見つけた・作った

見つけたのは、香料会社フィルメニッヒの化学者エドゥアール・ドゥモルです。会社は1958年の発見としており、1960年前後に特許が出され、1962年に合成法などが論文として発表されました。

名前はギリシャ語で喜びを意味するヘドネーに由来し、フィルメニッヒが名づけました。現在は dsm-firmenich が扱っています。

香水での使われ方

香水で広く知られるきっかけは、1966年にディオールから出たオー・ソバージュです。調香師エドモン・ルドニツカが使い、配合はおよそ2.5%でした。当初は高価だったため、少量にとどまったと考えられています。

その後は値段が下がり、使われる量も増えていきました。ディオールのディオレラ(1972年)では8%、シャネルの N°19(1971年)では12.6%、シャネルのクリスタル(1993年)では26%、コム デ ギャルソンのオドゥール 53(1998年)では65%という例が挙げられています。

豆知識

メーカーの資料では、香水での一般的な配合は2から15%とされています。香水だけでなく、シャンプーや石けん、洗剤、キャンドルなど、幅広い製品に使われています。

2015年にはドイツの研究者が、ヘディオンが人の鼻にある受容体 VN1R1 を活性化すると報告しました。ふつうのにおいの受容体とは別のもので、フェロモンを受け取る可能性がある受容体と考えられています。