ディプティック「オルフェオン」はどんな香り?ノート構成・香りの変化・似てる香水まで
ディプティックの「オルフェオン」は、ブランドの創業60周年にあたる2021年に生まれた香りです。名前は、1960年代のパリで創業者たちが通ったジャズバーから。ジンのような爽やかさと、木と粉っぽい甘さが同居する不思議な香りで、「どんなノートでできているの?」と気になって調べる人も多いようです。この記事では、ノート構成とその意味、時間による香りの変化、濃度ごとの違い、似ている香水を順に見ていきます。
2026.10.27 · 9分で読めます

オルフェオンとは:60周年の香りと、名前の由来
ディプティックは1961年、デスモンド・ノックス=リット、イヴ・クエロン、クリスチャンヌ・ゴトロの3人がパリで始めたメゾンです。その60周年を記念して、オードパルファンのオルフェオンが2021年3月15日に発売されました。調香は、ディプティックの多くの香りを手がけてきたオリヴィエ・ペシューです(ブランドの歩みはディプティックの歴史と代表作で紹介しています)。
「オルフェオン」は、サン=ジェルマン大通り34番地のブティックに隣接していたナイトクラブの名前です。公式は、1960年代初めのサン=ジェルマン地区はひと晩じゅう続くジャズクラブのリズムに満ちていて、創業者3人はブティックの隣にあったこのバーに集まった、と説明しています。フランスの公式ページは、学生や画家、俳優、作家が集まる場所だったとも書いています。
ペシューは、当サイトの記録ではディプティックのフルール ドゥ ポーやオー キャピタルも手がけた調香師です。この2本は記事の後半で「オルフェオンが好きな人が次に試したい香り」としても紹介します。
2025年の紹介記事によると、ボトルのラベルの濃い青と銀は、いまもパリのブティックに残る、オルフェオンの多面体の柱へのオマージュだそうです。
バーの空気を香りにした「肖像画」
公式はオルフェオンを、このバーの「香りの肖像画」と呼んでいます。描かれているのは、立ちのぼるタバコの煙、頬紅の粉っぽい残り香、磨き込まれた木。60周年当時の国内の発売記事も、店内の木の家具、カクテルのアルコール、着飾った男女、タバコの煙をフローラルウッディ(花と木を組み合わせた香りの系統)で表現した、と紹介しています。
ノート構成:ジュニパーベリー・シダー・トンカビーン・ジャスミン
- ジュニパーベリー:ジンの香りづけに使う針葉樹の実。かつてバーで飲まれたジンのカクテルへの目くばせ
- シダーウッド:杉の仲間の乾いた木の香り。漆塗りのバーカウンターの重み
- トンカビーン:南米の豆。クマリン(桜餅の葉のような甘い香りの成分)を含み、上質なタバコの名残りを思わせる
- ジャスミン:夜のパリで踊った人たちがまとっていた香水の名残り
トンカビーンの甘さの正体についてはトンカビーンとクマリンの話でくわしく解説しています。
業界紙が伝えた、より細かい内訳
発売時の免税業界紙の記事には、もっと細かい構成も載っています。シダー、ベチバー、パチョリ、ジュニパーベリー、グリーンマンダリン、マスティック、ガルバナム、ロックローズ(シスタス)などのトップ、イランイラン、ジャスミン、ムスク、アンバーのハート、ベネズエラ産トンカビーンとラオス産ベンゾインのベースです。現在の公式ページは4つの柱に絞って紹介しているので、香りの骨組みとしてはこの4つを覚えておけば十分です。
香りの変化:ジンの爽やかさから、木と粉の甘さへ
香水は、つけてすぐ香るトップノート、そのあと中心になるミドルノート、最後に肌に残るラストノート(ドライダウン、香りが落ち着いたあとの状態)と、時間とともに香りが変わります。公式は時間ごとの変化を細かく書いていないので、ここではノートの性質から考えた流れを紹介します(推測を含む)。
- つけたて:ジュニパーベリーの、ジンのような青くすっとした爽やかさが前に出る
- しばらくして:ジャスミンの花と、頬紅を思わせる粉っぽさが重なり、香りがやわらかくなる
- 数時間後:シダーの乾いた木と、トンカビーンの甘く温かい香りが肌に残る
公式がタバコの煙や頬紅の粉を描写していることから、「爽やかなのに甘い」「ウッディなのにパウダリー」という両面を持つのがこの香りの個性だと考えます。SNS で話題になった理由を香料から読み解いたSNSで話題のニッチ香水8本でも、オルフェオンを取り上げています。
どんな場面に向く?
- 夕方から夜の外出に:公式の物語どおり、バーや音楽のある場所、ディナーなど。木とトンカビーンの甘さが夜の空気に合う
- 秋冬の毎日に:粉っぽい甘さと木の温かさは、寒い季節のニットやコートとなじみやすい
- 性別を問わず:花と木、甘さと爽やかさのバランスがとれているので、性別を問わず使いやすいと考えます
いずれも公式の説明とノートからの編集部の見立てです。つけたての爽やかさと、あとに残る甘さの両方を確かめるために、試すときは肌に1プッシュして、数時間後の香りまで見てから決めるのがおすすめです。
オードパルファン、オードトワレ、ヘアフレグランスの違い
オルフェオンには、いくつかの形があります。いちばん違いが大きいのは、2026年に加わったオードトワレです。
オードトワレ(2026年):調香師も表情も違う
国内の報道によると、オルフェオン オードトワレは日本では2026年2月18日に発売されました。手がけたのはオードパルファンのペシューではなく、調香師ナタリー・セット(Natalie Cetto)です。報道は、オードパルファンがこのジャズクラブのエスプリを表現したのに対し、オードトワレは「この象徴的なナイトライフのもう一つの表情」を表現した、と伝えています。
フランスの公式ページは、オードトワレは軽やかで生き生きとし、オードパルファンは「より濃く、長く続く香りの跡」を残すと書いています。同じ名前でも、木と粉の夜の香りが好きならオードパルファン、柑橘と花の明るい香りが好きならオードトワレ、と選び分けるのがよさそうです。
ヘアフレグランスとソリッドパフューム
オルフェオンに似てる香水・次に試したい香水
「似ている」は、香りのどの面が好きかで変わります。公式のノートや説明が重なるものを、好きな面ごとに挙げます(どれが近いかの判断は編集部の見立てです)。
クリーミーな木の香りが好きなら:「タム ダオ」
創業者の幼少期の記憶にある、ベトナムの森の寺院で焚かれるサンダルウッドの香り。日本の公式は、ベルベットのようにミルキーでなめらかで、スパイシーな重厚感もあると書いています。オルフェオンの木の部分を、もっと丸く甘くした方向です。木の香りが好きな人はウッド系ニッチ香水7選もどうぞ。
甘さを煙と青さで締めたいなら:「オー デュエル」
パリ、タバコ、ジャズクラブ:テーマが近い香水
こちらもペシューの作品で、公式は「パリへのオマージュ」と呼んでいます。ローズのあとにピンクペッパーの効いたベルガモット、モス、パチョリと続く香り。オルフェオンが「1960年代のパリの夜」なら、オー キャピタルは「今のパリ」を描いた香りだと編集部は考えます。
タバコと粉の組み合わせなら:「ヴォリュート」
日本の公式は、黄色の刻みタバコと、おしろいのパウダリーな匂いの香りと説明しています。1930年、サイゴンへ向かう客船のデッキとオーケストラという、創業者イヴ・クエロンの子ども時代の思い出がモチーフです。オルフェオンのタバコの煙と粉の面を、もっと前に出した香りです。
ジャズクラブつながりで:メゾン マルジェラ「ジャズ クラブ」
まとめ
- オルフェオンは、ディプティック創業60周年の2021年に発売。調香はオリヴィエ・ペシュー
- 名前は、サン=ジェルマン大通り34番地のブティックの隣にあった1960年代のジャズバーから
- 公式のノートはジュニパーベリー、シダー、トンカビーン、ジャスミンの4つ。ジン、バーカウンター、タバコ、香水の記憶を表す
- 2026年のオードトワレはナタリー・セットの作品で、柑橘と花の明るい「夕暮れ」の表情。オードパルファンは木と粉の「真夜中」
- 粉っぽさならフルール ドゥ ポー、木ならタム ダオ、甘さならオー デュエル、タバコと粉ならヴォリュートが次の候補
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この記事に出てくるノート
出典(15)
- Diptyque「Orphéon Eau de Parfum」
- Diptyque(フランス)「Orphéon(コレクションページ)」
- ディプティック 日本公式「オードトワレ オルフェオン」
- ディプティック 日本公式「ヘアフレグランス オルフェオン」
- ディプティック 日本公式「ソリッドパフューム オルフェオン」
- FASHIONSNAP「ディプティック創業60周年、新フレグランス「オルフェオン」(2021年3月)」
- The Moodie Davitt Report「Diptyque launches new Orphéon fragrance to mark 60th anniversary(2021年4月)」
- Robb Report Malaysia「Diptyque Reintroduces The Orphéon Eau De Parfum As A Nostalgic Ode To 1960s Paris(2025年3月)」
- FASHIONSNAP「ディプティック「オルフェオン」にオードトワレなど新アイテム(2026年2月)」
- The Peak Malaysia「Diptyque reopens the doors to Orphéon with a new Eau de Toilette(2026年2月)」
- ディプティック 日本公式「オードパルファン フルール ドゥ ポー」
- ディプティック 日本公式「オードパルファン タム ダオ」
- ディプティック 日本公式「オードパルファン オー キャピタル」
- ディプティック 日本公式「オードパルファン ヴォリュート」
- ディプティック 日本公式「オードトワレ オー デュエル」














