
チュベローズ(月下香)の香水
Tuberose
この原料を使っている香水
チュベローズについて
どんな香り
白くろうのような花から、とても強い香りが立ちます。香りは夜になるといっそう強くなります。
香料としては、はじめは青さがあり、やがてミルクのような丸みと日なたのような温かさへ移り、ココナッツを連想させることもあると説明されます。香りが強いので、使う量は控えめにする必要があるとされています。切り花にしてからも、48時間以上香り続けるといわれます。
原料の話
チュベローズ(Polianthes tuberosa)はキジカクシ科リュウゼツラン亜科の植物で、原産地はメキシコです。アステカの時代から栽培されてきたため、野生のものはもう見られません。和名には月下香のほか、オランダズイセンもあります。名前のローズはバラとは関係がなく、学名の tuberosa は「ふくらんだ、塊根状の」という意味で、球根をつくることに由来します。
16世紀にヨーロッパ、そしてアジアへと伝わりました。かつてはグラース周辺でも多く育てられていましたが、今いちばん栽培が盛んなのはインドです。
誰が見つけた・作った
熱に弱いジャスミンやチュベローズの香りを採るため、グラースでは17世紀から18世紀にかけてアンフルラージュという方法が確立されました。においのない固形の脂に花を並べて香りを吸わせ、その脂をアルコールで洗ってアブソリュートにします。現在は揮発性の溶剤で直接抽出するのが一般的ですが、グラースでは冷たい脂を使うこの方法が今も行われています。
2009年に発表された比較研究では、アンフルラージュで採った抽出物の主成分は安息香酸メチルで、ヘキサンで抽出したものは安息香酸ベンジルが中心でした。採り方によって、香りの中身が変わることがわかります。
香水での使われ方
チュベローズの抽出物は、17世紀から香水に使われてきました。マリー・アントワネットのための香水とされる「シヤージュ・ドゥ・ラ・レーヌ」にも、オレンジの花やジャスミンとともに入っていたとされます。
20世紀には、ロベール・ピゲが1948年に出したフラカがよく知られています。調香師ジェルメーヌ・セリエによるもので、チュベローズを中心にした香水の基準として今も語られます。



