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トンカビーン(Tonka bean)の写真
写真 Mecredis / Fred Benenson · CC BY-SA 3.0 · Wikimedia Commons · 正方形に切り抜き

トンカビーンの香水

Tonka Bean

この原料を使っている香水

トンカビーンについて

どんな香り

トンカビーンの種子は、クルマバソウに似た強い香りを持ちます。もとになっているのはクマリンという成分で、バニラを思わせる甘い香りと説明されます。

その香りは、刈りたての干し草にもよくたとえられます。甘さの中に、乾いた草のような落ち着きがあるのが特徴です。

原料の話

トンカビーンは、南米北部に自生するマメ科の木、ディプテリクス・オドラタの種子です。おもな産地はベネズエラ、ガイアナ、ブラジルです。

種子には通常1%から3%ほどのクマリンが含まれ、まれに10%に達するものもあります。硬い殻を外したあと数日かけて乾かし、アルコールに半日から1日ほど浸けてから使われることもあります。

誰が見つけた・作った

クマリンは1820年、ミュンヘンのフォーゲルがトンカビーンから取り出しました。ただし彼はこれを安息香酸と取り違えています。同じ年にギブールも別に取り出し、新しい物質だと見抜いて「クマリン」と名づけました。フランス語でトンカビーンを指す「クマルー」が由来で、さかのぼると南米のトゥピ語の言葉です。

1868年には、化学者ウィリアム・ヘンリー・パーキンがクマリンの合成を論文で発表しました。植物から取らなくても、この香りを作れるようになったのです。

香水での使われ方

合成クマリンが香水の歴史を動かしたのは、1882年のウビガン「フジェール・ロワイヤル」です。ウビガンのオーナーだったポール・パルケが作り、ラベンダー、オークモス、クマリンを組み合わせました。合成香料を使った最初期の近代香水とされ、この香水から、フゼアと呼ばれる香りの系統が生まれました。

ゲランのシャリマーでは、ラストノートにトンカビーンが挙げられています。キャロンのプール・アン・オムにも使われています。

豆知識

アメリカの食品医薬品局は1954年から、トンカビーンを含む食品を不良食品として扱っています。動物実験で、非常に高い濃度のクマリンに毒性が見られたためです。EUでも、食品ごとにクマリンの上限が決められています。

香水でも、国際香粧品香料協会(IFRA)がクマリンの使用量を制限しています。