
アンバーグリス(龍涎香)の香水
Ambergris
この原料を使っている香水
アンバーグリスについて
どんな香り
できたばかりのアンバーグリスは、海と排泄物を思わせる強いにおいがあります。長い時間をかけて海を漂ううちに、甘く土っぽい香りへと変わっていきます。
熟成したものは、甘さ、土、海、動物的な気配が重なった、複雑な香りと説明されます。香りそのものの主役は、成分が酸化してできるアンブロキサイドなどの物質です。
原料の話
アンバーグリスは、マッコウクジラの腸の中で胆管からの分泌物をもとにできる塊です。飲みこんだイカのくちばしのような硬いものを通しやすくするために作られる、という説があります。作るのはマッコウクジラのうち、およそ1%と推定されています。
水より軽く、体外に出たあとは何年も海に浮かんで漂い、やがて浜に打ち上げられます。新しいうちは白っぽく柔らかく、時間がたつと濃い灰色や黒になり、ろうのような手ざわりになります。名前は古いフランス語の「灰色の琥珀」に由来します。
誰が見つけた・作った
1946年、化学者のルジチカとラルドンが、主成分であるアンブレインを突き止めました。アンブレインそのものにはにおいがなく、酸化して分解することで香る成分が生まれます。
香水での使われ方
香りを長く肌に残す保留剤として、調香師に重んじられてきました。いまの香水では、主な香り成分であるアンブロキサイドを合成したものに、ほとんど置き換わっています。
天然のアンバーグリスの売買は、アメリカ、オーストラリア、インドなどで禁止されています。一方で、イギリスやフランスなどでは合法とされています。
豆知識
古代エジプトではお香として焚かれ、古代中国では竜のよだれの香りと呼ばれていたと伝えられています。英語の amber という言葉も、もとはアラビア語でこのアンバーグリスを指していました。
