本文へスキップ
ohmyperfume
アンブレット(Ambrette)の写真
写真 M108t · CC BY 4.0 · Wikimedia Commons · 正方形に切り抜き

アンブレットの香水

Ambrette

この原料を使っている香水

アンブレットについて

どんな香り

アンブレットは、植物からとれるムスクの香りです。種子は甘く花のような、重さのある香りをもち、動物のムスクに似ていると言われます。学名の種小名 moschatus も、ラテン語でムスクを意味する言葉に由来しています。

原料の話

原料は、アオイ科トロロアオイ属の Abelmoschus moschatus という植物の種子です。英語ではアンブレットやムスクマロウと呼ばれ、日本ではリュウキュウトロロアオイやニオイトロロアオイといった名前があります。アジアの熱帯からオーストラリアにかけてが原産で、日本でも琉球列島の南西部に自生しています。

種子の油に含まれる成分としてよく知られるのが、アンブレットリドです。分子が大きな輪になった大環状ラクトンの一つで、ムスクのような香りをもち、その好ましいにおいから香料の素材として重宝されています。

誰が見つけた・作った

アンブレットリドは、1927年に化学者 M. カーシュバウムが、アンブレットの種子の油に含まれることを報告しました。いまでは同じ種類の大環状ラクトンが合成でもつくられ、合成ムスクの一群として使われています。

香水での使われ方

動物のムスクは、絶滅のおそれがあるジャコウジカを殺さなければ得られず、世界でもっとも高価な動物性の素材の一つでした。そのためアンブレットの種子の油は、香水で動物のムスクの代わりとして、またほかのムスクの香りを調整する素材として使われてきました。ただし種子の油そのものも高価なため、いまでは多くがさまざまな合成ムスクに置きかわっています。

豆知識

種子は香料のほか、コーヒーに加えたり、若いさやや葉を野菜として食べたりもされます。ベネディクティンのような伝統的なハーブのリキュールにも使われています。

名前のよく似たムスクアンブレットは、アンブレットの種子からとるものではありません。19世紀末に化学者アルベルト・バウアーの研究から生まれた、ニトロムスクと呼ばれる合成香料の一つです。