本文へスキップ
ohmyperfume
沈香(ウード)(Agarwood)の写真
写真 Prof. sc. gen. Stephan Alexander Peter · CC0 · Wikimedia Commons · 正方形に切り抜き

沈香の香水

Agarwood

この原料を使っている香水

沈香について

どんな香り

沈香(ウード)は、複雑で心地よい香りをもつ香木です。木の深みのなかに、ごくやわらかな果実や花のような面と、甘いバルサムのような余韻があると説明されています。

日本の香木は、熱を加えて香りを立たせて楽しみます。もとの木は軽く白っぽく、香りもほとんどありません。香りは、あとで木の中にできる樹脂から生まれます。

原料の話

沈香は、ジンチョウゲ科アキラリア属などの木が、傷や病気から身を守るために作る樹脂がしみ込んだ部分です。アキラリア属17種のうち、沈香を生むのは9種とされます。心材がカビの一種に感染すると、木は守りの反応として樹脂を作り、その部分は重く黒っぽくなります。自然の状態で感染するのは、同じ種の木100本のうち7本ほどといわれます。

樹脂をたっぷり含むと水に沈むほど重くなることが、沈香という名前の由来です。ウードのほか、アロエスウッド、イーグルウッド、ガハルなどの名前でも呼ばれます。

香油は木を水蒸気で蒸留して採りますが、木材70キロから得られるのは20ミリリットルに満たない量です。上質な沈香は、世界でもっとも高価な天然原料のひとつとされます。現在はインド、バングラデシュ、マレーシアなどで植林が行われ、人の手で感染を促す方法も使われています。

香水での使われ方

中東やアラブ世界では、ウードは古くから香りの文化の中心にあり、さまざまな形で身にまといます。現在の香水でもウードは人気の素材で、多くのブランドがウードを主題にした香りをもっています。天然の沈香ではなく、香料の成分を組み合わせたウードのアコードで表現されることもあります。

日本では、香木の香りを味わう香道が室町時代に形づくられ、三条西実隆や志野宗信がその基礎を築きました。香道では香りを「嗅ぐ」ではなく「聞く」と言い、香木を伽羅、羅国、真那伽、真南蛮、寸聞多羅、佐曽羅の六国に分けます。伽羅は沈香のなかでも最上とされる等級です。

豆知識

日本の記録では、推古天皇3年(595年)に淡路島へ香木が流れ着いたという記述が、沈香に関するもっとも古いものとされます。正倉院には、蘭奢待と呼ばれる名高い香木が伝わっています。

乱獲が進んだため、1995年にアキラリア・マラッケンシスがワシントン条約の附属書IIに載り、2004年にはアキラリア属のすべての種が対象になりました。